土地や不動産など分けられない遺産の分割方法

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現物分割と代償分割

預貯金などの金銭であれば、相続人が複数人存在する場合でも均等に割合を定めることが可能ですが、遺産の種類が土地や不動産になると均等な分配を行うことは不可能です。

こういったケースでもいくつかの分割方法があり、相続人のうち誰か一人が不動産を相続し、単独で所有する現物分割はその代表例のうちの一つになります。

現物分割を行えば最も簡単に不動産相続が可能になりますが、代表者だけが大きな利益を得ることになるため、他の相続人の同意を得ることが難しいという点がデメリットです。

そこで登場するのが代償分割という方法で、この分割方法ではやはり代表者一人が不動産を相続しますが、他の相続人にも分割分の対価を代表者が支払うことになります。

例えば2,000万円の資産価値を持つ不動産を相続する場合、相続人が2人であれば、不動産を相続した人物が半分の1,000万円をもう一方の相続人に支払って解決を図るというのが代償分割です。

この方法は相続人全員の同意を得やすい一方、不動産を相続する人物に対価を支払う能力が無ければ成り立たないというデメリットを持っています。

共有と売却

その他にも、不動産を相続人の全員が受け取り、共有登記という形で持ち分を分配するという手段を取ることも可能です。

しかし不動産を共有するとなると、将来的に売却を行う場合に手続きを進めることが難しくなり、所有者全員が納得しなければ処分やリフォームが出来ないという問題が生まれます。

最後の方法は換価分割という不動産分割方法で、これは簡単に言えば相続物件を売却し、譲渡益を相続人全員で均等に分けるという方法です。

換価分割によって不動産を処分すれば、物件を相続人が引き継ぐことこそ出来ませんが、金銭的な問題が生じることが無く、親族間でトラブルを起こさず速やかに現金化を進められます。

この記事の監修者

税理士　原　直哉(ハラ ナオヤ)

司法書士、行政書士、ファイナンシャルプランナー（FP）

経歴
相続において専門家のアドバイスが必要な方に対して、必要なサポートを行っている。