相続人の一人に遺産を独占されてしまったら

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まずは不当にお金を使われる可能性を減らす

お金には魔力があると言われますが、残念なことに相続に関連するトラブルの中でも特に多いのが、一人の相続人による不当な遺産の独占や使い込みといった問題です。

こういったトラブルが発生した場合には、まずはお金を不正に使用されないように備えることが重要ですから、金融機関等に連絡を入れて故人の銀行口座を凍結させましょう。

一度凍結された銀行口座を元の状態に戻すためには様々な手続きを行う必要が生じるため、凍結させた口座から勝手にお金を下ろされてしまうリスクを無くすことが出来ます。

使い込まれた遺産を取り返す方法もある

もしも凍結が間に合わず、遺産が既に使い込まれてしまっている場合でも、すぐに諦める必要はなく、不当利得返還請求や損害賠償請求という形で訴えることが可能です。

注意すべきなのは、遺産相続そのものは調停や裁判という形で解決させられますが、遺産分割調停の中では使い込まれた分の遺産を請求することは出来ないという点になります。

遺産分割調停の中で話し合いに応じてもらえる可能性もありますが、基本的には別途損害賠償等での訴訟を同時に起こし、使い込んだ分の遺産を返すよう要求する必要があるのです。

遺産の内容自体が不明だったときには

通常の遺産分割では、相続人の全員が協議に参加し、銀行の預金や有価証券、不動産など遺産の目録を協力しながらまとめて分割に向けた話し合いを進めます。

しかし誰かが独占しているというケースでは話し合いそのものが出来ず、遺産の全容すら明らかに出来ないという問題が起こることもあるのです。

こういった場合には、速やかに弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

専門家は金融機関等に対して取引明細などの開示を強く求められますから、他の相続人が知らなかった財産を見つけられる可能性が高くなるのです。

この記事の監修者

税理士　原　直哉(ハラ ナオヤ)

司法書士、行政書士、ファイナンシャルプランナー（FP）

経歴
相続において専門家のアドバイスが必要な方に対して、必要なサポートを行っている。